陰陽師がいた「陰陽寮」とはどんな組織?組織図を簡単に

陰陽師がいた「陰陽寮」とはどんな組織?組織図を簡単に

陰陽師がいた「陰陽寮」とはどんな組織?組織図を簡単に

陰陽寮とは、陰陽師が所属していた日本の律令制において中務省に属する組織の一つです。天文、暦、時刻などを管理・作成する務めを果たします。

 

「うらのつかさ」、「おんようのつかさ」とも呼びます。

 

陰陽寮の構成

陰陽寮は四等官制(※1)が敷かれ、長官に陰陽頭、陰陽道に基づく呪術・占術を行う博士・陰陽師、各修習生、庶務職などが置かれました。

 

※1 四等官制:わかりやすくいえば長官の「かみ」、補佐役の「すけ」、文書審査の「じょう」、文書作成の「さかん」が管理職として置かれる体制です。

 

陰陽師の定員は6名とされていました。陰陽寮トップは陰陽頭ですが、陰陽師として最も知名度が高い安倍晴明は陰陽頭にはなりませんでした。

 

組織図

この組織を構成する職種は以下のようになっています。

 

職名 仕事内容

陰陽頭(おんみょうのかみ)
:定員1名

陰陽寮の長官。天文、暦、時刻など全てを監督し、異常があれば記録と調査結果をまとめ天皇に報告する。

陰陽助(おんようのすけ)
:定員2名

陰陽頭の補佐を行う次官。

陰陽允(おんようのじょう)
:定員1名⇒2名

寮内の文書審査、事務全般を担当する判官。

陰陽大属(おんようのたいぞく)・同少属(しょうぞく)
:定員各1名

大属は公文書の記録担当。少属は大属を補佐する。

陰陽師(おんみょうじ)
:定員6名

天文・風雲などから吉凶を占い、方位をみる。

陰陽博士(おんみょうはかせ)
:定員1名

陰陽道を統括する。修習生である陰陽生(おんようのしょう)を指導する。

天文博士(てんもんはかせ)
:定員1名

天文道を統括する。天文観測に基づく占星術を行い、修習生である天文生(てんもんのしょう)を指導する。

暦博士
:定員1名

暦道を統括する。暦を管理・作成・編纂し、修習生である暦生(れきのしょう)を指導する。

漏刻博士
:定員2名

時刻を監督し、漏刻(水時計)の設計や管理に携わる。

学生・得業生
:定員各道10名

博士の下で各道を学ぶ学生。天文・陰陽・暦3道それぞれ10名が置かれ、また博士を目指す得業生も2〜3名置かれた。

守辰丁(しゅしんちょう)
:定員20名

漏刻博士下について漏刻を測る。毎時太鼓や鐘といった鳴り物を慣らして時刻を知らせる仕事も担当。

使部(じぶ)・直丁(じきちょう)
:定員20名

庶務全般を担当する。

 

ざっくりにでもかつて陰陽師が所属した陰陽寮の実体を把握して頂ければ幸いです。

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