陰陽師が使役した式神の種類

陰陽師が使役した式神の種類

陰陽師が使役した式神の種類

式神とは、陰陽師が使役した「霊的な存在」のことで、陰陽師の命令で自在に動き、人の悪行や善行を見定めるといわれています。(陰陽師が使役する式神の役割・能力とは?も参照ください)。この式神には様々な種類があり、各陰陽師が自分の特性にあった式神を使役していました。

 

式神の種類

容姿による分類

式神の形態の分類は、人型や鳥獣型、妖怪(異形)型など様々です。陰陽師が呪法を唱えると自在に姿を変えたといわれます。

 

創造過程による分類

また式神の創造過程の分類では思業式神・擬人式神・悪行罰示神に分けられます。

 

  • 思業式神…陰陽師の思念から創造された式神。陰陽師の能力がダイレクトに反映する。
  • 擬人式神…紙や藁、草木で出来た人形に霊力を込め創られた式神。意思を持たせたものは上位式神、持たせなかったものは下位式神とされる。
  • 悪行罰示神…過去に悪行を行った霊を打ち負かし、服属させた式神。強いが術者の腕によっては飲み込まれる可能性がある危険な式神。

 

一番良く知られているのは2番目の擬人式神ではないでしょうか。アニメや漫画で、札に術をかけて人や鳥獣、異形の化け物を召喚するという演出は多いことから、式神といえばこのイメージを持っている人が多いと思います。

 

有名な式神

十二神将(十二天将)

最強の陰陽師と名高い安倍晴明は、「十二神将(十二天将)」と呼ばれる12人の非常に強力な神(あるいは精霊)を式神として使役していました。六壬の「青龍・朱雀・白虎・玄武・勾陳・六合・騰蛇・天后・貴人・大陰・大裳・天空」に由来します。十二神将は悪業罰示式神に分類され、最強の式神とされています。

 

※関連記事安倍晴明がなぜ最強かわかる5つの逸話

 

前鬼・後鬼

修験道の開祖である役小角(役行者)が使役したといわれる式神です。夫婦の鬼で、前鬼が夫、後鬼が妻とされています。各地にある役小角像の多くには、夫婦鬼の像も付属されています。

 

犬神

犬神は犬霊の憑き物のことです。式神の一種である犬神とは?で詳しく解説しますが、飢餓状態の犬の首を落とし、怨念の増した犬の霊を呪物として使役していたとされます。

 

蠱毒

同じ器でヘビ、カエル、ムカデ、ゲジゲジといった動物を戦わせ、生き残った動物の霊を呪物として使役するというものです。あまりの凶悪な呪いな為、平安時代には禁止令が出されました。

 

カラス・黒猫

欧州では式神のような存在のことを「使い魔」と呼びます。魔法使いや魔女と絶対的な主従関係にあり、伝言・偵察・届け物などを請け負います。そして使い魔として多いのはカラスや黒猫といった動物です。色合い的に目立たないということもありスパイには絶好なのでしょう。

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