安倍晴明とは何者か|有名な逸話・伝説5選
このカテゴリーでは安倍晴明に関する情報をまとめています。平安時代に活躍した実在の陰陽師として知られ、多くの伝説や逸話を持つ晴明の生涯や功績、陰陽道への貢献など、人物像への理解を深める助けになれば幸いです!

安倍晴明とは何者か|有名な逸話・伝説5選

安倍晴明の基本情報
肖像

菊池容斎画

生没年 921年(延喜21年)〜1005年(寛弘2年)
出身地 摂津国阿倍野(現在の大阪市阿倍野区)
墓地 晴明神社(京都市上京区)、一説に安倍晴明墓(大阪市阿倍野区)
縁の地 京都(陰陽寮)、阿倍野、葛の葉伝説の地(信太森)
両親 父:安倍益材/母:葛の葉狐(伝説上)
安倍吉平、安倍吉昌
師匠 賀茂忠行、賀茂保憲
末裔 土御門家、倉橋家
能力 天文占星術、式神の使役、結界・封印、呪術など陰陽道の諸術
登場史料 『今昔物語集』『大鏡』『宇治拾遺物語』『扶桑略記』など
登場創作 『陰陽師』(夢枕獏)シリーズ、歌舞伎、映画・漫画・アニメ作品など多数

 

安倍晴明は、平安時代の日本に実在した伝説の陰陽師。その名を聞くだけで、不思議な力や神秘的な世界を思い浮かべる人も多いんじゃないでしょうか。実際、晴明には「狐の血を引く」「式神を使う」「天皇の病を治す」など、まるでフィクションのような逸話が山ほどあるんです。

 

でも、驚くなかれ――それらの多くは、単なるおとぎ話じゃなくて、歴史的な文献や説話集に記録されている“伝説”として今も語り継がれているんですよ。

 

今回は、そんな安倍晴明という人物の正体に迫りながら、彼にまつわる代表的な5つの逸話・伝説をわかりやすくかみ砕いて解説します!

 

 

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母は白狐だった!?「葛葉伝説」

葛の葉狐伝説を描いた絵画
法師陰陽師として知られる安倍泰名ゆかりの物語で、六トウに由来する智略を伝える陰陽師・安倍晴明の母とされる狐女・葛の葉が、自らの正体を明かし子を残して去る瞬間を描く

出典:月岡芳年 / Wikipedia Commons パブリックドメインより

 

まずは有名すぎる伝説からいきましょう。晴明の母・葛葉(くずのは)は、なんと人間に化けた白狐だったという話があります。

 

ある時、狩人に追われていた白狐が、安倍益材という貴族に助けられます。のちに美しい女性となって現れた葛葉は益材と夫婦となり、やがて晴明を出産。しかし、ある日ついに正体がバレてしまい、葛葉は別れの歌を残して森に去ってしまったんですね。

 

つまり、晴明は人と妖の間に生まれた半神的存在というわけ。ここからもう、只者じゃないオーラが漂ってます。

 

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式神を操る!恐るべき術力

不動利益縁起絵巻の一場面
園城寺(三井寺)の縁起『不動利益縁起』絵巻から、安倍晴明が式神2匹を従え、病身身代わりの祈祷を行う中盤の場面

出典: Wikimedia Commons public domainより

 

晴明の代名詞といえば式神(しきがみ)。これは目に見えない霊的な存在で、命令すれば情報収集や護衛、祓いなど何でもやってくれるスゴいやつです。

 

晴明は最大で十二天将という強力な式神を従えていたとされ、彼らを使って朝廷の敵を祓ったり、陰謀を封じたりしていたと言われています。

 

ちなみに、あまりに強すぎるので、晴明の家では式神を井戸の中に隠しておいたなんて話もあるくらい。

 

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式神対決でライバル陰陽師を完封

術比べで芦屋道満を打ち負かす晴明

出典:葛飾北斎『北斎漫画』11編/ Wikimedia Commons - Public domain

 

『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』には、晴明と他の陰陽師が術比べをする話がいくつか載っています。

 

ある時、播磨国の陰陽師が式神を使って挑戦してきたんですが、晴明は相手の式神をこっそり隠してしまうというトリッキーな手を使って勝利。つまり、勝負が始まる前に相手の武器を封じたわけですね。えげつない…。

 

このエピソードは、中国語圏の晴明伝説でも人気で、海外でも「式神マスター」として知られている証拠です。

 

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呪詛を見抜く!犬と晴明の連携プレー

藤原道長の外出を止める犬

出典:国立公文書館デジタルアーカイブより

 

ある日、権力者藤原道長の愛犬が、なぜか外出を止めるよう吠えまくっていたんです。周囲は「たまたまだろ〜」とスルーしようとしたんですが、晴明はすぐに気づきます。

 

「これは呪詛だ」と。

 

実は、道長を狙った呪いがしかけられていたんですが、晴明が式神を飛ばしてこれを見破り、跳ね返したことで、事なきを得たんですね。

 

動物と連携して敵を防ぐというのも、まるで陰陽師版ポケモンバトルみたいでアツい!

 

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天皇の病を癒した“異能の力”

泣不動縁起に描かれた安倍晴明
『泣不動縁起』の絵巻において、疫病神を退治する姿が描かれている

出典:Faithful reproduction of a public domain work / Wikimedia Commonsより

 

これも超重要な逸話。一条天皇が病に倒れた時、晴明は禊(みそぎ)の儀式を行って、天皇の病を快方へ導いたとされます。

 

さらに別の話では、花山天皇が原因不明の頭痛に悩まされた時、「あなたの前世の遺骨が岩に挟まれて苦しんでいます」と占断。その遺骨を発見して供養したところ、頭痛が消えたとか。

 

これは、晴明がただの祈祷師じゃなくて、前世・因果まで見通すスーパースピリチュアル眼を持っていたことを物語ってます。

 

五行要約

 
  1. 安倍晴明は狐の母から生まれたとされる異能の存在!
  2. 式神を自在に操る陰陽師として朝廷の信頼も厚かった!
  3. ライバルとの術合で見事に相手を出し抜いたとされる!
  4. 呪詛を動物の異変から見抜く鋭さも持っていた!
  5. 天皇の病まで治すほどの霊的能力を持っていた!